「スティーブ・ジョブズとの思い出」
「寂しいだろ」
今朝、父から連絡があった。
何のことか分からなかったが、「寂しい?何で」と聞き返してみると
スティーブ・ジョブズが亡くなったということだった。
状況が理解できなかった。
でも、落ち着いて、父の話を聞きながら、「健康状態が悪化していたのだ。それも起こりうる」と感じた。
このブログでも幾度となくお伝えしているように私はスティーブ・ジョブズのことが好きだ。
正直、愛していると言っても良い。
私が子供の頃からの偉大なヒーローのようだった。
(当時は友人にも話さなかったが、親には夢中になって話していた。だから、父も連絡をくれたのだろう)
彼のアップルのPCこそが子供の頃の憧れのPC。
私自身、それを手に入れた時の感動を今も覚えている。
「スティーブ・ジョブズのどこが好きだったのか?」
そう聞かれることもある。
今回、そのことを改めて考えていた。
それはある意味で彼が「海賊」のようだったからだ。
言い換えると、「大企業」の彼ではなく、「起業家」の彼だ。
安定ではなく、不安定を好むところ。
そして、小さな組織を好むところ。
本当に優れた製品を作れば、巨大企業にも対抗できると考えていたことだ。
まさに「海賊」だ
そのことを思うと、子供の時の自分に戻る。
胸が踊る。
小さな企業が巨大企業に戦いを挑む。
それを成し遂げてきたスティーブ・ジョブズを見ていると、ワクワクする。
私はそれが好きだったのだ。
その成果物である「iPhone」「iMac」「iPad」「iPod」などの製品。
それに世界企業であるアップル自体のこともあるが、それさえもスティーブ・ジョブズ本人と比べれば、小さなことだ。
そもそも、それはスティーブ・ジョブズの「海賊」精神がなければ現れることがなかった。
全ては「安定」とは正反対の「不安定を楽しむ」という彼の意識から生み出されたもののように感じる。
子供の時はそれをぼんやりと感じていた。
でも、大人になるにつれ、スティーブ・ジョブズやアップルを知れば知るほど、まさに「海賊」だと感じるようになった。後から知ったのだが、名機「マッキントッシュ」の開発チームは、ジョブズの「海賊になろう」というスローガンに率いられて完成に至ったということだ。
スティーブ・ジョブズの意識にも「海賊」があったのだろう。
「100人以上の事業部を動かす気はない」
「売上が何十億ドルにもなると、企業は面白みに欠けてしまう」
という言葉は小さな組織を好むことを感じさせるし、
「不可能に思えても目標を下げない。上げるのだ」
という言葉には不可能と感じる目標にも諦めず、立ち向かうことを意識させてくれる。
決して諦めないのだ。
その「海賊」であるスティーブ・ジョブズも大敗を喫することはあった。
自らが築いてきたアップルから、解雇されてしまう。
常人だったら、「やる気」は失せ、這い上がることはできないだろう。
「もう、無理だ」と感じてしまうかもしれない。
でも、彼は違った。
その後、NeXT社を立ち上げる。
うまく行かないことも多かったが、そこから、ピクサーでCEOの座につき、アニメ映画「トイ・ストーリー」を成功させていく。映画の成功により、ピクサーは上場し、多額の資産を手に入れ、ディズニーの個人筆頭株主になり、ディズニーの役員にまでなった。
そして、解雇されたアップルへの復帰だ。
まさに海賊は諦めず、這い上がってきた。
でも、当時のアップルはまさに潰れる寸前の非常に厳しい状況。
だが、そこでも諦めることはなかった。
そこからの活躍をあなたもご存知だと思う。
2011年8月9日、アップルはエクソン・モービルを抜き時価総額で世界1の企業となった。
さらに、2011年7月末にCNNなどの記事にあったとおり、アップルは一時現金残高で世界1の経済大国さえも抜いた。
(7月27日時点の米政府の現金残高は738億ドルに対し、アップルは6月末時点で762億ドルだった。)
「スティーブ・ジョブズがなぜ好きか」
そう考えると彼が達成した結果ではない。
世界1の企業だから
世界1のIT企業だから
MacやiPodやiPhoneを出したからではない。
そのいずれでもない。
決して諦めず、前に進む「海賊」だから
「病」に対してもそう。
2003年に膵臓がんも煩い、2009年に肝臓移植手術も受けていた。
それでもなお仕事をやり続け、前進し続けてきた。
寿命というものを意識しつつ、それでも死を全うする直前まで走り続けた。
それが私は好きなのだ。
「スティーブ・ジョブズが亡くなって、寂しいだろうな」
父からの電話でそう聞かれた。
もちろん寂しい。
でも、実は、それ以上に寂しかったのは、やはり、彼が築き、彼が愛し、大病を煩っても続けようとしたアップルのCEOを退任すると発表した2011年8月24日の時だ。
その日の翌日、彼に「ありがとう」を言う意味で「iMac」を購入させていただいた。
今回もそうだ。
私は「iPhone4」を持っているが、「iPhone4S」は彼の最後の仕事。
ぜひ購入させていただきたいと思う。
スティーブ・ジョブズに「本当にありがとう。お疲れさまでした」という想いを込めて。
アップルのサイトに掲載されているスティーブ・ジョブズの顔を見ると、
眼光は鋭く、本当に美しく感じる。
1955年から2011年。56歳の短いが、素晴らしい人生だったと思う。


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