起業と松下幸之助 8
「松下幸之助の時代背景と今は違う。参考にならない」
そのような疑問を持つ方もいるかもしれない。
前回はその回答について、お話しした。
確かに、ネットが普及し、スマートフォンを使う今と、松下幸之助の時代は確かに大きく違う。
でも、人の本質は大きくは変わらない。そう、お話しした。
ここは説明が足りなかったので、今回もう少しお話しする。
あなたが主婦だとしよう
八百屋に行った時に店主がこう話してきた。
「奥さん、いつも『トマトが好きだ』って言っていたよね。
実は、最高のトマトが入ってきたんだよ。
まだ、店には出していないんだけどね。ちょっと、待ってて」
そう言い、店の裏から、トマトの入った段ボール箱を持ってきて、
「届いたばかりのトマトだよ」と美味しそうなトマトを一つ手に持ち、目の前に出してくる。
自分が「トマトを好きだ」ということを覚えていてくれたことが嬉しいのももちろんあるが、何より、自分が好きなトマトだ。
最高のトマトであれば、興味はあるし、買いたくなってくる。
無理に売り込まれてもいないのに「じゃあ、それ買うわ」と買って行く。
欲しているものを買う
シンプルに言えば、これが本質だ。
好きなものだったり、興味があるものだったり、欲しているものを買う。
江戸時代だろうが、ローマ帝国の時代だろうが、これは同じだ。
ビジネスで言えば、「相手が求めているものを提供する」ということ。
この本質的なことに変化はない。
この本質を把握することだ。
その本質を理解すれば、世の中が本質的なことで動いていることが見えてくる。
私の父が面白いことを言ってきた。
「アマゾンに行くと、(サイトに)俺が好きなモノばかり表示されるんだけど、何でだ?」
そう聞いていた。
実際、そうだ。
アマゾンでは利用者がチェックした閲覧履歴から、その商品を表示させている。
一度見たものは興味があるものだ。
当然、買う可能性が高い。
さらに、閲覧した商品に関連する商品も表示している。
そして、メールではそれらの商品を毎日のように「オススメ商品」として案内してくる。
「サイト」「メール」「閲覧履歴」など過去には存在しないものや考え方はもちろんある。
だからこそ、その仕組みに目が行きやすく、過去とは違うものと思いやすい。
だが、究極的には「相手が求めているものを提供する」という本質に沿ったものだ。
それを実現するために様々な仕組みを使っているだけだ。
ただ、ここで注意していただきたいのは、いかに素晴らしい技術やシステムであっても、人間の本質に反するものであれば、うまく行かない。
極端なことを言えば、「相手が求めていないものを提供する」ようなことを高度なツールを使っても、膨大な資金を投下しても、なかなかうまく行かない。
人の本質に反するからだ。
次回、さらに深堀りしていきたい。


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