起業と松下幸之助 最終回

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起業と松下幸之助 最終回

松下幸之助の「無料」の展開。
さらに現在の「無料」での展開について、これまで、お話ししてきた。

でも、ここで疑問があると思う。

「無料が効果はあるのは分かったけど。。高く売る方法はどうなのか?」

そう考えている方もいるだろう。

「高く売る」
言い換えれば、希少性の高い商品を高く売るということだ。
でも、これは容易ではない。

そもそも、消費構造は低調だ。

例えば、二人以上の世帯あたりの1ヶ月の支出額は1999年に323,008円だったのが、2010年に290,244円と激減している。(89%だ)さらに、ネットで商品を比較し、良質の品を安く買おうとしている人も少なくない。

消費者は

「お金を使わないようにしている」

「安く買おうとしている」

これが「自然」なのだ。
それに則っているからこそ、カカクコムなどの比較サイトは未だに堅調だ。

そのような消費者の「本質」と逆を行くのだ。
松下幸之助の言う「天地自然の法則」にある意味では反することになる。
安く買おうとしている顧客に高く売るのだ。
それは安易な方法ではない。

それを自然にする方法は一つだ

「欲しいものが他で手に入らないなら、高くても仕方がない」

これはまさに、投資家ウォーレン・バフェットやリクルートを創業した江副浩正の言葉。

「欲しくても手に入れることができないものを売れ」

ということだ。

ある川があったとしよう。
あなたはその川の向こう岸にどうしても行きたい。
その時、目の前に「一本の橋」がある。

川の向こう岸に渡るにはその橋を渡るしかない。
ただし、通行料がかかるのだ。
他に橋がなく、どうしても川を渡りたいと思うのであれば、しぶしぶとお金を支払うしかない。

まさにこのような事業にウォーレン・バフェットは投資をしていた。
他社で手に入らないのだ。
だから、その事業は大きくなる可能性が高いと見ていた。

でも、このような事業、このようなビジネスは、非常に高い顧客ニーズがあり、そこでしか手に入らないことではじめて成立する。

顧客ニーズに完全に合致し、他社が提供していない。
しかも、起業段階ではそれを伝え、それを信じてもらう必要があるのだ。

一本橋が目の前にあれば、それを渡れば川を渡れるのは信じられる。

でも、多くの商品はそういうものではない。
お金を払い、使ってみなければ、それが本当に役立つものかどうかが分からない。

松下幸之助の事例はまさにそれを教えてくれる。

大正11年秋

他社が3時間程度の自転車用の電池ランプだったのに対し、30時間の寿命のランプを開発した。
10倍良い商品だった。

自転車用の電池ランプというもの自体は既に存在していたので、
一本橋が1つしかないという状況ではなかった。
でも、10倍優れた商品だ。
圧倒的な違いはあった。
でも、その10倍優れた商品であっても、商売人松下幸之助が必死になっても売れなかった。

このケースであっても、知らないものは信じられないという人間の「本質」。
その「本質」を払拭する必要があったのだ。

それに付け加えて言うならば、10倍優れた商品は「一本橋」というほどインパクトの高いものではない。
本当の「希少性」を狙うことだ。そのことをこのケースは教えてくれる。

起業段階はこの消費者の「本質」を考える必要がある。
お金は使わなくなっている。
さらに、知らないし、信じてないのだ。
その「本質」に反した展開をしてはいけない。

あなたが起業したばかりであれば、
その「本質」に則った対策をとる必要がある。

経営の神様 松下幸之助は
まさに日本の成功者だ。
お金だけではないが、1950年以降長者番付で全国1位を10回記録し、40年連続で全国100位以内を記録した。その男が「これまで事業に成功し続けてこられたが、その秘訣はどこにあるのか?」と聞かれた時に答えたのがまさに次の言葉だ。

「自分の経営は天地自然の法に従ってきました」

本質から外れてはいけない。
本質に則らなければならないのだ。

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