老子との対話44
数ヶ月前にある優秀なビジネスマンの方と一緒にいた。
彼はボソッとこう話した。
「1冊の本をしっかりと読んだ方が良いと思うんですよね」
彼は続けて言った。
信頼できる本をしっかりと読み続けた方が良いということだ。
僕は同意見だ。
多読が良いという意見もあれば、少数の本に絞るべきだという真逆の意見も世の中には氾濫している。
もっと言えば、次々に色々な本を読むべきか、絞った本を何度も何度も読むべきかだ。
でも、僕はに絞りこみ、何度も読んだ方が良いという意見だ。
ファーストリテイリングの柳井さんもそうだ。
「松下幸之助」や「ドラッカー」の本を幾度となく擦り切れるくらい読んだ話は有名だ。
確か20回以上は読んでいると話されていた。
それ以外もあるが、レイ・クロックの「成功はゴミ箱の中に」とかハロルド・ジェニーんの「プロフェッショナルマネジャー」など、かなり絞りこまれた本を何度も紹介されている。
(その中でも、松下幸之助とドラッカー。この二人は柳井さんの中でも特別なのだろう。)
柳井さんは現在64歳。
日本で1、2位を争う現役経営者だ。
そのような方でさえ、数冊に絞られる。
考えてほしい。
膨大な情報を処理し、それを血や肉などにすることなどほとんどの人はできない。
僕もやったことがあるが、1日1冊を読むとしよう。
1年経過して、果たして、どれだけのことを覚えているのだろうか?
そして、どれだけのことを実践しているのだろうか?
ほとんど覚えていないし、1つも実践していないという方だっている。
365日、1日に1冊3時間くらいかけて読む。
すると、1095時間だ。
それでいて、ほとんど残らない。
成果にできるものが何一つないというのは完全な無駄だ。
でも、これは仕方がない。
情報が多すぎて、何をすれば良いか分からない。
情報を入手するのに力を入れすぎて、実践する時間がない。
だが、実践しない知識など、知らないのと同じだ。
成果につながっていないのだから。
そう考えると、時間を無駄に使っただけだ。
少ない情報にすることだ
情報を絞り込むことにより、頭が膨大な情報で混乱している情報ではなくなる。
非常にシンプルになる。
信頼できる情報を残すことだ。
それ以外は削ってしまう。
情報の発信者も自分が目指すべき方向で成果を上げている方かどうかを考え、選別する。
さらにその発信者の情報の中、最高の本を選別していく。
そして、その限られた情報のうち、1つ1つを実践していく。
分からないことは何度も考えながらだ。
そうなると、知識は知識でなくなる。
血となり、肉となり、骨となる。
前進する知識になっていく。
あなたにとって意味のあるものを残し、あなたにとってプラスのものを残す。
そうすることで確実に成長できる。
老子は言う。
「学問を修めていると、その知識は一日一日とふえてくるが、「道」を修めていると、一日一日とその知識は減ってゆく。減らしたうえにまた減らし、どんどんへらしていって、ついにはことさらなしわざのない『無為』の立場にゆきつくと、そのしわざのない『無為』のままでいて、それですべてのことをりっぱになしとげるようになる。」
参考:老子道徳経 下篇
老子の求めている「道」とこれまでの話は微妙に違うが、同じことが言える。
情報を絞込み、
絞り込んだ上に絞込む。
そうして、無駄な自分の知識を捨てていくと、自分の強みを助ける知識、強みのみが残っていく。
そして、知識や情報があなたの血や肉となった時、それはあなたの「自然」になる。
自然な状態で物事が成し遂げられるようになるのだ。


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