老子との対話 28

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老子との対話 28

以前、ある友人の家に訪問した時に、テレビにある経営者の方が出ていた。
「この人、○○社長だね」
僕の友人がぼそっと言った。

社長の自宅が紹介され、華々しい生活がテレビに映し出された。豪華なリビングに豪華な家具が置かれていた。その自宅から見える景色も素晴らしいものだった。
まさに、世間で言う成功者だった。
(ご本人もそれを自負しているようだった)

その時、友人はこう言った。

「ああいう姿を見せられると、あそこ(あの会社)の商品やサービスを買いたくなるね。だって、お金を払うと、自分のお金があの社長の生活を支えているような気持ちになってくる。買いたくなくなるね」
そう言っていた。

彼の言い分ももっともだった。
でも、社長自身も悪いことをしたわけではなかった。起業し、大変な思いをし、その段階まで達したのだ。
楽な道ではなかっただろうし、おそらく血の滲むような努力もしてきたはずだ。偶然で、楽にそうなれるほど、仕事は甘くはない。

実際、世の中に多大な貢献をしているし、そのリターンとしてそのような成功を遂げることは何一つ悪いことではない。

でも、

人の感情は怖い

ある一定ラインを超え、その成功を周りの人間に見せつけ過ぎてしまうと、僕らは嫌悪感を感じるようになってしまう。
彼のことを尊敬していた感情でさえ、そのラインを超えた瞬間、嫌悪感に切り替わる。

その感情が何かは分からない。
人間の嫉妬心なのかは分からないが、極端に成功した人に対し、その反対に「いつか失敗しろ」という感情が生まれてくる人もいるだろう。
その成功者が失敗した途端に「やはり失敗した」と話題になるのも、プラスに行き過ぎるとマイナスにしようとする力が生まれるのだろう。上がったものを下げようとする自然の法則が生まれるからかもしれない。

特に人間は人の中で生活している

それに僕たちのビジネスは人間が相手だ。
人間と良い関係を構築しないと、うまく行かない。顧客とは良い関係でないといけないし、協力してくれる人や企業とも良い関係でないといけないし、場合によっては競合でさえ良い関係でないといけない。

全てが敵に回ったら、どれだけ良いビジネスでも衰退する確率が高まる。
顧客が敵に回り、協力してくれる人や企業が敵に回り、競合が敵に回ったら、相当厳しくなる。

そう考えると、成功しても成功しすぎないことだ。少なくとも、成功したとしても、それを回りの企業や人に見せつけすぎてはいけない。見せつけすぎると「失敗しろ」というマイナスの感情が芽生え始める可能性がある。

これは老子が言っている。

「『道』に従うすぐれた人は、勝利をおさめたらそれでやめる。さらに進んで無理に相手をおびやかそうとしたりはしない。勝利をおさめても、それを誇って尊大にかまえたりすることがなく、勝利をおさめても、それを鼻にかけて自慢したりすることがなく、勝利をおさめても、それで傲慢になることがなく、勝利をおさめても、それをやむをえないことであったとする。それこそ、勝利をおさめても、さらに無理なおどしをかけたりしないということなのだ。
ものごとは強壮であればあるほど、無理なことをして老衰へと落ち込む。これこそ、『道』に従わないということだ。『道』に従わないのでは、すぐに滅びてしまう。」

老子道徳経 上篇

あなたの回りにもいるはずだ

周囲の人に対して、攻め過ぎてしまう、怒り過ぎてしまう人が。

そのような相手が上司であれば、部下は何も言わないとしても、「アイツ、絶対許せない」という気持ちになってくる。

上司でなく、同じような立場の人間であったら、相手に本音を言わないかもしれない。
それでも、結局「アイツ、絶対許せない」という気持ちになってくる。

あなたが顧客でそんな人がビジネスをやいたら、そのような人からは決して買いたくはないだろう。

アイツ、絶対に許せないという人からはモノは買いたくはないのだ。

勝利をおさめても、誇って尊大にかまえたり、それを鼻にかけて自慢したりしないこと。それが重要だ。

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