※本シリーズについては、しばらく時間があいてしまったため、第1回目から第9回目を再度1回1回お伝えしている。
消費者の感情 7
このシリーズでは日銀の「生活意識に関するアンケート調査(第49回)」の「収入」と「支出」について、色々とお話ししてきた。
でも、それに対して
「数字がややこしい」というご意見をいただいた。
いくつかの数字を横断して説明しているので、ややこしかったかもしれない。
そのため、今回はこれまでの数字をざっとおさらいしたい。
「収入」
まずは「収入」だ。
こちらは1年前の収入と比べ、6.7%の人しか増えてはいない。
半数近くの方は減っている。
全体としては、収入は「減る」方向に向かっている。
(これはここ数年は毎年同様の傾向だ)
それにもかかわらず、まだ起きてもいない「1年後の収入」についても、同様に半数近くの人は「減る」と思っている。減ったら増やそうと思っても良いのだが、現実はそうではない。
「世の中は厳しいし、仕方がないよね」と考えているのか、まだ起きてもいない未来の収入も諦めている。
■「現在の収入を1年前と比べると、どうか?」(2012年3月調査結果)
増えた 6.7%
変わらない 44.5%
減った 48.7%
■「1年後の収入を現在と比べるとどうなるのか?」(2012年3月調査結果)
増える 5.9%
変わらない 47.9%
減る 45.8%
「支出」
次に「支出」だ。
先ほど、「収入」は1年前の収入と比べ、6.7%の人しか増えてはいない。
半数近くの方は減っているとお話しした。
だが、「支出」はそれと違う動きを示している。
全体としては「収入」減にもかかわらず、「支出」は3割の方が増えている。
お金は入ってきていないのに、使う方が増えている。
だからこそ、預金などがゼロの割合は2011年には29%などということになっている。
金融資産が何もない階層は3世帯に1世帯近く。
バブル期には3.3%しかいなかったものが年々増えている状況だ。
しかも、生活保護受給者は約200万人だ。
もちろん、切り詰めようという意識はあるのだが、実際にはそう考えているだけで使ってしまっている。
それは「1年後の支出」を54%近くの人が「減らす」としていることからも分かるだろう。
■「現在の支出は1年前と比べると、どうか?」(2012年3月調査結果)
増えた 31.4%
変わらない 43.4%
減った 23.7%
■「1年後の支出は現在と比べるとどうなるのか?」(2012年3月調査結果)
増やす 4.0%
変わらない 40.9%
減らす 54.6%
以上が数字の概要だ。
「何で、こんな状況になっているんだろう。『貯金ゼロ』や『生活保護』になる前に収入が減ったら、お金を使わないようにすればいいのに」
そのように思うかもしれない。
そして、実際にあなたはそのとおり行動できる方かもしれない。
確かに、論理的に言えば、「収入」が減っているのだから、「支出」をおさえるべきだ。
だが、人は「論理」で動くわけではない。
「感情」で動いている。
生活するために仕方がないという方ばかりではないだろう。
「感情」を揺さぶる対象が目の前にあれば、それにお金を費やししてしまうのだ。
「お金を使わないようにしよう」と支出を押さえようと考えている方であっても、それにブレーキをかけることはできない。
多くの人は収入が減っている。
そのため、基本的には「切り詰めなければならない」と考えているが、
実際には切り詰めることができる方ばかりではなく、支出を減らすことができない方もまだまだ多い。
だからこそ、「生活保護受給者数」は増え、貯金がない世帯は3世帯に1世帯という状況になっている。


コメント
まとめtyaiました【消費者の感情 7(再)】
※本シリーズについては、しばらく時間があいてしまったため、第1回目から第9回目を再度1回1回お伝えしている。消費者の感情 7このシリーズでは日銀の「生活意識に関するアンケート調査(第49回)」の「収入」と「支出」について、色々とお話ししてきた。でも、そ…