消費者の感情 6(再)

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※本シリーズについては、しばらく時間があいてしまったため、第1回目から第9回目を再度1回1回お伝えしている。

消費者の感情 6

前回は収入と支出のアンバランスについて話をした。
1年前の収入と比べて、半数近くの方が収入が減り、増えた方は7%程度とほとんどいない。
なのに、支出については1年前と比べ、3割近くの方が増え、減ったのは2割強だ。

収入が減ったら、支出をおさえるという風にはできていない。

矛盾がある。

そう説明をした。

こういうデータを見ると、

学生の頃を思い出す

学生だった頃の試験や受験などだ。

本来は次に受ける試験も分かっている。
学ぶべき学科も分かっている。
試験に出る範囲も分かっているのだ。

だったら、やるべきことはただ1つ。

学習すれば良いだけだ。

試験日まで残り何日なのか?
学習すべき範囲はどの程度なのか?
あとは計画を立て、1日1日それを進めていく。

それだけだ。

以前も取り上げたことがあるかもしれないが、司法試験に合格された主婦の方がまさにそのようなことを話していた。

「学習範囲を決め、毎日勉強できる時間(その方の場合はたしか3時間)で計画を立てる。後はやるだけ。特に難しくないです」

そう話していた。

試験で良い成績をとりたいなら、
受験で合格したいなら、
それをやれば良いだけだ。

でも、実際には
テレビ番組を観てしまったり、
漫画を読んでしまったりする。
ゲームをやる方もいるだろう。
勉強が手につかなかったりする。

そして、少しの罪悪感を感じるのだ。
「あー、また遊んじゃったな」と。

そして、残りわずかになってくると、少しの後悔をし、火がついたように勉強する。

私も人のことは言えない。
大学の試験の時は勉強するのは残りわずかになってからだ。
ひどい時は前日だった。
前日に、友人の家に集まり、とにかく詰め込んでいた。

私も含め、「やろう」とは思ってはいるのだ。
でも、実際にはやらない。
いや、やれない。
少なくとも、ギリギリになるまでやれないのだ。

今回のデータはまさにそれを思い出す

収入が減ったら、支出をおさえる。
そうすべきなのに、使ってしまう。
そういう人たちが少なくないのだ。

もちろん、先ほどの司法試験に合格する主婦の方のように、その状況に合わせ、最適な行動をとることができる優秀な方もいるだろう。
でも、実際にはそうではない。
だからこそ、1年前と比べて、半数近くの方が収入が減り、増えた方はほとんどいないのに。
1年前と比べて、3割近くの方が支出が増え、減ったのは2割強となってしまう。

でも、この方たちも、最初からそうしようと思っているのではない。
最初は切り詰めようと思っているのだ。
(先ほどの「勉強は計画を立ててやろう」と思っているのと同じだ。
海外に行って、「外国語を学ばなきゃ」と言って、数日経つとやらなくなる人と同じだ。
切羽詰まらないとやらないのだ。)

今回、特にお伝えしたいのはまさにそのデータだ。
これも日銀の「生活意識に関するアンケート調査(第49回)」
その「1年後の支出は現在と比べるとどうなるのか?」という質問に対する回答をお伝えしたい。

上が2012年3月の結果、下が2011年12月の結果だ。


2012年3月の調査結果
増やす  4.0%
変わらない  40.9%
減らす    54.6%

2011年12月の調査結果
増やす  3.5%
変わらない  40.8%
減らす    55.0%


日銀の調査結果では次のようなコメントがある。
「先行き(1年後)は、『増やす』との回答が増加した」
そうある。

確かに「増やす」という回答は0.5%増加した。
でも、これも毎回お話しするように、特定の傾向を示す数値とは言いがたい。

大切なこと。

それは、これが「1年後の支出」だということ。
まだ起きていない未来のことを人々の頭の中でどのように考えているのかを尋ねているもの。
「感情」だ。
当初の感情としてはこう動いている。

実際は「増やす」と思っている方は4%しかいない。
そして、50%を超える人々が「減らす」と考えている。
1年後を考える人々はそう願っている。

でも、これが実際に1年が経過すると、そのとおりにはいかず、1年前と比べて、3割近くの方が支出が増え、減ったのは2割強だというような結果になる。

収入が減ったら、支出を押さえるという基本的な行動がとれないのだ。

ここで「感情で市場が動くということであれば、『収入が減ったら、支出を押さえる』という感情を持つなら、そういう結果になるのでは?」と思う方もいるだろう。

だが、実際にはそれは調査段階の感情であって、どちらかというと論理のようなものだ。
「お金が減ったら、使わない」というのは論理的には正しいことなのだが、そうは行かないのだ。

目の前に「欲しい」ものがあったら、その論理をぶち壊して、感情が動いてしまう。

まさに「試験日まで計画どおりやれば良い」ということができない学生と同じだ。
目の前のテレビ番組やゲームに行ってしまうのだ。

バカにしているわけではなく、それこそ人間の感情とも言える。

ただし、それでも、収入は徐々に減り、支出も徐々に減って行っている。
それにお金がなくなれば使えなくなるのだ。

ぎりぎりになれば、支出を増やすことはできなくなる。
テストのように、ぎりぎりになれば、やらざるをえないのだ。
支出を押さえざるをえないのだ。

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コメント

  1. まとめtyaiました【消費者の感情 6】

    ※本シリーズについては、しばらく時間があいてしまったため、第1回目から第9回目を再度1回1回お伝えしている。消費者の感情 6前回は収入と支出のアンバランスについて話をした。1年前の収入と比べて、半数近くの方が収入が減り、増えた方は7%程度とほとんどいな…

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