消費者の感情 5

blogcopy4

消費者の感情 5

前回、人々は「収入」が今後も減るという風に考えている。
消費者の多くの「感情」はそこに向かっている。
そうお話しした。

そして、これまでは「収入」について見てきたが、ここからは

「支出」だ

まずは、実際に「お金」を使ったのかどうかについて見て行きたい。

今回も日銀の「生活意識に関するアンケート調査(第49回)」
その「現在の支出を1年前と比べると、どうか?」という質問に対する回答をお伝えしたい。
上が2012年3月の結果、下が2011年12月の結果だ。


2012年3月の調査結果
増えた  31.4%
変わらない  43.4%
減った    23.7%

2011年12月の調査結果
増えた  32.0%
変わらない  43.0%
減った    23.7%


日銀の情報サービス局の調査結果では次のようなコメントがついている。

「支出の増減については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が減少した」

そうコメントがある。

でも、これも前回同様、数値的には傾向を示すと言えるだけの差ではない。
「増えた」と答えている方は0.6%減っただけの話だ。

でも、ここで我々が注目すべき点は別にある。

ここで、あなたに質問がある。

「あなたは収入が減ったら、支出を減らすだろうか?」

例えば、収入が800万円だったのが、750万円になったとしよう。
その場合、これまで使っていた支出を切り詰めるだろうか?
それとも、「そんなことは気にしない。俺は収入が減っても、お金は使うよ」と支出を切り詰めるどころか、使いまくるだろうか?

普通に考えれば、お金が入ってこなくなれば、切り詰める。
それが論理的に考えれば、正しい。
つまり、調査結果で言えば、1年前と比べ、支出を減らすのが普通だ。
最低でも、支出は変わらないというのがせいぜいだろう。
(既に切り詰めている方であれば、支出は変わらないというのもありえる)

だが、実際は違う。

もう一度、前々回お話しした「現在の収入を1年前と比べると、どうか?」という質問に対する回答(2012年3月の結果)を見てほしい。


2012年3月の調査結果
増えた  6.7%
変わらない 44.5%
減った   48.7%


「収入」は、1年前と比べ、半数近くは「減った」のであり、「増えた」人はわずか6.7%だ。
だとすれば、「支出」についても、1年前と比べ、半数近くは「減った」と答えるのが普通であり、「増えた」と答える方は6%から7%というのが普通に想定できる結果だ。

だが、そうではない。
再度、「現在の支出を1年前と比べると、どうか?」という質問に対する回答(2012年3月の結果)を見てほしい。


2012年3月の調査結果
増えた  31.4%
変わらない  43.4%
減った    23.7%


「増えた」のは31.4%。
そして、「減った」のは23.7%。
多くの人は「収入」と矛盾した行動をしているのだ。
この理由については、後ほどお話ししていくが、ここが人の行動の矛盾したところなのだ。

「震災の影響があるのでは?」

そのように考える方もいるだろう。
だが、これはそうではない。
この調査結果を比較的長い間、見てきているが、以前からこの矛盾は発生している。

例えば、2010年10月の「現在の支出を1年前と比べると、どうか?」という質問に対する回答であれば、次のとおりだ。


2010年9月の調査結果
増えた  31.4%
変わらない  42.3%
減った    25.3%


この時、収入が1年前と比べると「増えた」のは7.0%、「変わらない」が42.2%、「減った」のが50.6%だ。半数近くの人が収入が減り、わずか7%の人が収入が増えただけにもかかわらず、支出はこのようになってしまう。

ここに人の行動と感情に矛盾があるのだ。
ロジカルな考えが通用しないところとも言える。

次回さらに説明していきたい。

blogcopy2

コメント

  1. まとめteみた.【消費者の感情 5】

    消費者の感情5前回、人々は「収入」が今後も減るという風に考えている。消費者の多くの「感情」はそこに向かっている。そうお話しした。そして、これまでは「収入」について見てきたが、ここからは「支出」だまずは、実際に「お金」を使ったのかどうかについて見て行きた?…

タイトルとURLをコピーしました