消費者の感情 12
「差別化」を実現しているとしても、「価格」に注意する必要がある。
前回、そのようにお話しした。
誤解しないでいただきたいのは、「差別化」戦略が順調に機能しているのであれば、今すぐ「低価格」にする必要はない。
そのまま、「差別化」を進めていただければ良い。
機能しているのであれば、問題はないのだ。
でも、例えブルーオーシャン市場であっても、
その市場が美味しい市場であれば、競合は放っておかない。
競合企業はそれほど愚かではないし、あらゆる企業が生き残りをかけているのだ。
いずれ、ブルーオーシャン市場は真っ赤に染まっていく。
レッドオーシャンになるのだ。
1社が独占していた市場に
数多くの企業が参入し、区別ができないほど数多くの商品が氾濫する。
そして、差別化が困難になったら「価格」競争の渦に巻き込まれる。
他社が「低価格」をグングンと進めてきてから、「低価格」の対応を検討しても遅い。
今から考えておくのだ。
「ずっとブルーオーシャンであることはないのか?」
考えてほしい。
かつて、ブルーオーシャンだった市場のことを。
そのような市場がブルーオーシャンであり続けることはほとんどない。
(この場合、過去のビジネスを考えた方が分かりやすい。
今、目の前にある商品やサービスはずっとブルーオーシャンが続くと誤解しやすい。)
いずれはブルーからレッドに変わる。
そして、同じ品質だったら、価格だ。
ブルーオーシャンであればあるほど、言い換えれば、ブルーオーシャンに近づけば近づくほど、価格で勝負する必要はなくなるが、レッドになればなるほど価格競争にさらされる。
もう1つお話ししたいのが「品質」のことだ。
「低価格」という話ばかりしてきたので、悪い商品を安く売るというイメージをお持ちの方もいるかもしれないが、そうではない。
ルノーが新興国向けに開発した「ダチア・ダスター」でお話ししたように「高品質」で「低価格」
この実現が理想だ。
国内の例であれば、今話題のプライベートブランドがまさにそうだ。
プライベートブランドが勢いを持ち始めた2009年の頃。
「これは不況の影響で消費者の低価格志向が強まっているので人気が出ているだけ。
いずれはブームも終わる」と一部では言われていた。
ところが今もプライベートブランドは成長し続けている。
その理由はいくつかあるが、
プライベートブランドがある種のブランドを持っているからだ。
その背景にあるものこそ、高品質、低価格だ。
価格が安いから悪いという風には消費者は思っていない。
イオンなどは2012年度中にPBの生鮮品を現在の2倍の600品目に増やすという話だが、これは価格が2~3割安いだけではない。
イオンの自社安全管理基準をきちんと満たしたものを投入するのだ。
消費者の低価格への意識
消費者の食の安全への意識
価格だけでなく、品質を満たすものを提供していくのだ。
だからこそ、今後ますますプライベートブランドはある種のブランド化をしていくと私は見て行く。
スーパーやコンビニのプライベートブランドの市場は主要10社で2012年の売上高は2兆円になる見込み。
5月28日の日経新聞の記事には「かつては景気が上向くと消費者はメーカー品に戻ると指摘されてきたが、今回は消費が堅調さを取り戻した後も伸びている」とある。
このまま、
高品質、低価格。
さらに、PBのブランドが高まれば、メーカー品に戻る必要性がなくなっていく。
この傾向は今後も続くだろう。
これはPBだけではない。
安かろう悪かろうではなく、安かろう良かろう。
つまり、高品質の商品を低価格で作るのがこれまでご説明した消費者の感情にも適した流れだろう。


コメント
まとめtyaiました【消費者の感情 12】
消費者の感情 12「差別化」を実現しているとしても、「価格」に注意する必要がある。前回、そのようにお話しした。誤解しないでいただきたいのは、「差別化」戦略が順調に機能しているのであれば、今すぐ「低価格」にする必要はない。そのまま、「差別化」を進めていた…