売れない理由
昨日の午前中、あるカフェにいた。
そこでコーヒーを飲んでいたら、
隣に男性二人が座った。
スーツ姿の保険の営業マンとそのお客だった。
営業マンはテーブルの上に保険の設計書を置いた。
それを丁寧に説明していく。
さらにあるビジネス系の雑誌を取り出し、その中にある保険特集のランキングを使い、どれだけその保険が評価されているのかを説明していった。
お客は「保険に入った方が良いかな」という気にはなっていたように見える。
それを感じたところで、営業マンは
「いつ、ご契約しますか?」と違和感を感じさせないように聞いた。
お客が設計書をじっと見て、考えこんでいると
そこで営業マンは「3月までにお申込みいただかないと保険料が上がるんですよ」と話し始めた。
お客はこう言った。
「6月に昇進するんですよ。
なので、保険はその時にしようかなと思っています」
この時だった
余裕があった営業マンの表情が変化する。
どうやら、3月の数字をあげるために今日どうしても契約が欲しかったのだろう。
ここで追い打ちをかけるように営業マンは「今後のキャッシュ・フローについて考えてみましょう」と話し始めた。
必死だった。
不自然だった。
そこで顧客は冷めてきた。
隣にいても、熱が冷めてきたのが十分に伝わってきた。
「キャッシュ・フローの話」が悪かったわけではない。
保険料が上がってから加入した場合と、今加入した場合を説明しているのだ。
それほど違和感はない。
ただ、問題は
お客のことなど聞かず、自分の言いたいことを優先させた。
もっと言えば、顧客ニーズではなく、自分ニーズを優先させたこと。
これによって、一気に冷めたのだ。
そこからは、顧客の「逃れたい」という声が聞こえてくるようだった。
顧客が変化したタイミングはお客が「6月に昇進するんですよ」と言った瞬間だ。
営業マンはそれを「3月に契約してもらえなくなる信号」と捉えたのだろう。
でも、お客はそれを嬉しそうな表情で話したのだ。
なぜ、一緒になって喜んであげないのだろう。
「おめでとうございます」と言ってあげられないのだろう。
結局、自分の契約をとりたいだけだろう。
そう思われても無理はなかった。
お客のことを考える。
このシンプルなこと
それが自分でも気づかずにできていないケースは少なくないのかもしれない。
自分の強みを発揮するのは良い。
自分のビジネスを遂行するのも良い。
でも、顧客が売上の源泉だ。
顧客を無視してはいけない。
そんなことを考えているうちに
そのお客は申込はしないで、帰っていった。
※業務多忙のため、3月末くらいまでは頻繁にお休みさせていただきます。


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