人口予測で仕事を変える 16(Ver.2)

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「人口予測で仕事を変える 16(Ver.2)」

「買い手である『高齢者』の問題とは?」

「日本の金融資産はどれくらいか?」

これはメディアがよく取り上げている話だ。
ご存じのとおり、日本の金融資産は1400兆円
これについては個人事業主の事業性資金が含まれているなどの問題もあるが
その個人資産のうち、その大半は高齢者が持っていると言われている。

そう聞くと、

「そこにビジネスを仕掛けるべきだろう」

そう考えてしまう。
しかし、これは安易なのだ。

確かに単純化すると、2008年に次のようなデータがある。
(引用:日経ヴェリタス 2008年6月15日)

29歳以下     10兆円
30~39歳     86兆円
40~49歳     172兆円
50~59歳     330兆円
60~69歳     494兆円
70歳以上     452兆円

世帯別分布状況で見ると、上記のように60歳以上が1,000兆円近く持っていることになる。
細かく言うと、50歳以上が1276兆円
その大半は50歳以上が保有していることになり、さらに60歳以上が946兆円を保有することになる。
日本の大半の金融資産はここに集中している。

だから、「そこを狙うべきだ」と言われている。
しかし、これは前提条件を吹っ飛ばしている。

人口がそもそも違う

これまで話してきた人口ピラミッドのとおり、60歳以上の人口は全人口の30%。
それに対して、30代、40代、50代は10%くらいしかいない。
人口が3倍違うのだ。当然、金融資産の合計は40代の3倍くらいになることもおかしくない。

さらに

全高齢者の資産が多いわけではない

「世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布」で言うと、60歳以上の世帯の平均貯蓄残高は2500万円と言われている。
しかし、これはあくまでも「平均」だ。

膨大な貯蓄を持っている一部の富裕層が平均を引き上げている。
実際は、全体の60%は2,000万円以下の貯蓄。
さらに、35%は1,000万円以下の貯蓄。
100万円、200万円くらいの方も多いのだ。

しかも、30代や40代のお金と意味が違うのだ。

彼らは働いていない。
給与のように安定的な収入が無い方が多い。
年金だって今後徐々に少なくなっていく。

「働いていないのに、そんなにお金を持っているのか?」などと思うかもしれないが、
あなたが高齢者になったことを真剣に想像してほしい。

仮に70歳だとしよう。
既に仕事は辞めている。
収入はない。
私達の時は特に年金は多くはないだろう。

毎月5万円かもしれないし、10万円かもしれない。
いや、ほぼもらえないかもしれない。
(逆にもらえていたら、その時の日本は相当厳しい状況だろう)

そのような状況で、あなたに貯金が2,000万円あるとしよう。
そのお金を使うことはできるだろうか?

あなたが今いくらの貯金があり、いくらの収入があるのか?
それは知らない。

収入が300万円くらいの方もいれば、2,000万円くらいの方もいるだろう。
それでも、その多くは貯金ではなく、使ってしまっているはずだ。
2,000万円の貯金と言っても、年収が300万円くらいの方でも10年くらいでなくなってしまうお金なのだ。

以前、33歳の男性の方と話した時も似たようなことを言っていた。

「約10年働いて、収入で言うと、5,000万円(500万円×10年)くらいもらっているのに、ほとんど貯金していないんですよね。
確かに税金なども払っているのですが、お金って本当に使いますよね」

そう言っていた。
この方も同じだ。
確実に2,000万円なんて一瞬でなくなる。
あっという間に使っているはずだ。

今後、「高齢者マーケット」は拡大する。
これは間違いない。
そして、日本の金融資産の大半は高齢者により集中していく。
企業などでは成果主義が取り入れられたりしているが、全てではない。
大枠では大手企業含め、通常は年功序列が組み込まれている。
つまり、年齢を重ねるにつれ、給料は上がる。
さらに老後のために貯蓄もする。
高齢者に金融資産の大半が集中するのは当然だ。

その資産は一部の富裕層以外は生き抜くための貴重なお金だ。
さらに年金などは期待できなくなっていく。
必要だと思われない商品にはお金を使わなくなっていく。

簡単に言うと、日本は超高齢化社会
その高齢者に金融資産が集中し、
そのお金は生き抜くために使われない。
それだけではない。
退職年齢が近づく50代の方もその傾向が強まる。
お金は使わないのだ。

(19年後、日本はほぼ50代以上の社会になる。
その消費を支えるのは働いている20代~40代だ。
人口ピラミッドを見て欲しい。
20代~40代の人々のところだ。
その彼らが日本を支えていくことになる。
収入は低いのに、その日本を支えるために税金も払う必要があるのだ。
当然、彼らも厳しい)
※19年後の2030年の日本の人口ピラミッドはコチラ
(国立社会保障・人口問題研究所)

高齢者のお金が「生き抜くための貴重なお金」ということを実感できない20代、30代、40代の働いている連中がマーケティングしようとしているのだ。
「売り手」が「買い手」の気持ちを理解していないのだ。
ほとんどのビジネスがうまく行かないのもここにある。

では、そこで必要だと思われる商品は何か?
それを次回、話していきたい。

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