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ユニクロが創業60周年セール
既にご存じの方が多いと思うが、ユニクロが創業60周年セールを本日開催した。
まずは記事を読んでほしい。
「ユニクロで創業60周年セール 銀座店2000人、梅田店650人行列
ファーストリテイリングは21日、傘下のカジュアル衣料店「ユニクロ」約400店で朝6時から値引きセールを開催した。
東京都中央区の銀座店には2000人以上、大阪市の梅田店は約650人が並び、「予想以上の盛況」(ユニクロ)だった。
1984年のユニクロ1号店のオープン時間を再現。
当時と同じく、店の前に並んだ人には朝食としてアンパンと牛乳を限定で配った。
銀座店に徹夜で並んだ男性会社員(19)は「お祭りのようで楽しかった。
もらったアンパンは食べずに記念に持って帰る」と笑顔で話した。
店舗では数量限定で通常は1500円の発熱保温肌着「ヒートテック」を600円にするなど大幅値引き販売をした。」
引用:日経ネット 2009年11月21日
銀座店2000人、梅田店650人
山口県宇部市。
ユニクロを展開するファーストリテイリングはそこからはじまった。
その小さな企業が今や日本を代表する企業。
セールで2000人以上の人が銀座店に並ぶほど、支持されている。
そう思うと、何とも言えない気持ちになる。
嬉しい気持ちだけではなく、尊敬の気持ちさえも感じる。
非常に複雑な気持ちが入り混じっている。
それでも、やはり一言で言うと「嬉しい」。
創業60周年セールも単なるセールではない。
非常に良く考えられているセールだ。
今回はそのことについて、少し触れたいと思う。
このセールには数多く組み込まれているが、その1つをご紹介したい。
それが「歴史を伝える」ということ。
企業の歴史を知らせたり、商品の歴史を知らせることで、その企業や商品のイメージ向上を図る方法だ。
あなたも実生活で間違いなく体験しているはずだ。
私もよくある。
十数年前、私が会社員だった頃。
ある男とある場所で出会った。
男の年齢は私と同じ。
見かけは普通の男性。
正直、印象にも残らなかったし、特に特別な男とは思わなかった。
しかし、ある日、変わった。
彼の上司から彼の幼い頃の話を聞いたのだ。
「彼は幼い頃から働いている。早朝から、新聞配達を続け、バイトもし、そこで稼いだお金で高校、大学と進んできた。」
そのような話だった。
しかも、彼はいつも明るかった。
新聞配達時代の話をしても、
「新聞配達の時に配達後に食べるカップヌードル。あれが美味しかったんですよね。」
そう言いながら、ご馳走のように吉野屋の牛丼を食べていた。
彼にとっては、普通の人が大変だと思うことなど、大変ではないのだ。
そんなことを考えていた。
彼にとっては、
電話を使って仕事ができることも、
パソコンを使って仕事ができることも、
非常に楽しいことだった。
しかも、彼からは「疲れた」という言葉を1回も聞いたことがなかった。
いつも楽しそうだった。
当然だ。
朝から新聞配達をし、学校に行き、その後、バイトをして、さらに勉強をし続けてきたのだ。
その時の大変な生活よりはよほど余裕なのだろう。
彼の歴史を知って、
私の彼を見る目は大きく変わった。
彼の見かけは変わらない。
彼が話していることも以前とは全く変わらない。
しかし、彼の歴史を知ることで、私の中の彼は確実に変わったのだ。
彼を「新聞配達をして、バイトをして、学校で勉強をしてきた努力の人」という眼鏡で見てしまう。
すると、今までと同じように働いているのに、とてつもなく凄さを感じてしまうのだ。
現実の社会だけではない。
企業の歴史、商品の歴史。つまり、過去を知らせることでより訴求力を高めることが可能なのだ。
ユニクロのそこに「歴史」を感じさせること。
根のしっかりはった歴史を感じさせることは非常に意味があることだと思う。
60年という「歴史」を感じさせ、
オープン時の早朝から頑張っていたという「想い」を感じさせ、
当時と同様、アンパンと牛乳を待っていた方に配るという「サービス」を感じさせること。
「歴史」、「想い」、「サービス」。
これらを感じさせることができるのだ。
「もらったアンパンは食べずに記念に持って帰る」
そう答えた男性の心の中では、確実にユニクロは変わったはずだ。
比較的、新しい印象を持つ人も多いユニクロ。
そこに60周年の歴史を感じさせることで、ユニクロブランドをさらに向上させていく。
カジュアルウェアの強みを基盤にしてきたのだ。
その強みに60年の歴史を感じさせることができれば、競争優位性はさらに高まる。
「同じように安いのであれば、(60年取り組んできた)ユニクロで買った方が良い」
多くの人がそのような気持ちになるだろう。
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