スペインの旅「質と美」5
ついに、アルハンブラ宮殿を見る日のことをお話しして行く。
でも、全てが期待感のみということではなかった。
私の中に1つ気がかりなことがあった。
実は、「ガイド」がつくらしい。
「ガイドがついた方が良いでしょ」
そのように考える方もいるかもしれない。
でも、私はそのタイプではない。
そもそも、私は個人の自由な旅行が好きで、海外はもちろん国内もガイドと共にどこかに行ったことがなかった。
もちろん、この旅を手配してくれた方には感謝をしていた。
パラドールを手配してくれたことについても、感謝していたし、
世界遺産アルハンブラ宮殿内のホテルを手配してくれたことについても感謝をしていた。
でも、このガイドの手配については心の中で、「それは良くないかもしれない」と思っていた。
そもそも、静けさの中、沈黙の中で、この芸術とも言える宮殿を感じてみたい。
それが当初の目的だったのだ。
それがガイドの方の声でかき消されるのは嫌だという気持ちがあった。
(もちろん、詳しい方に教えていただくのは、発見はあるだろうが。。)
これからアルハンブラ宮殿を見る期待感と
ガイドに対する不安感を感じつつ、当日を迎えたのだ。
出会い
アルハンブラ宮殿パラドールのホテルのロビーまでガイドの方が来てくれるということだった。
ホテルのロビーで待っていると、男性が「橋本さんですか?」と後ろから声をかけてきた。
50代くらいの男性だった。
ジャケットをスマートに着こなした日本人男性だったが、どう見ても日本人離れした雰囲気だった。
彼は私は誰々だと自分の名前を告げた。
その名前は日本人の名前であり、「あー、日本人なのだ」と思ったのだが、実はそうとも言えない。
彼は日本に人生の大半を日本で過ごしてきた、いわゆる日本人ではなかった。
人生の大半をサウジアラビアなど、イスラム圏で過ごしてきたのだ。
イスラムを愛し
アラブの考えを愛する彼の話
それは私の期待を裏切るものだった。
いや、それどころか、この旅最高のものとも言える出会いだった。


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