スペインの旅「資本主義」9
Aさんは人口100人の世界で生産手段を手に入れた「生産者」だった。
そして、その世界はまさに「生産手段が少数の資本家に集中し、一方で自分の労働を売るしか生活手段がない多数の労働者が存在する」という資本主義の状況となっていた。
でも、資本主義では「生産手段」だけではなく、
あらゆる面で「少数」が有効なのだ。
そもそも、Aさんはこの世界の中でビジネスを生み出した数少ない「少数(派)」。
さらに売上に対し社員数を「少数」にし、効率を高め、
企業の中でも「少数」(その他大勢の社員ではなく、社長として)となった。
実はこの少数の方はどのような考えを持ち、どのような行動をする必要があるのだろうか?
置かれている状況にも違うが、
実は漠然と多くのことを知っている人ではない。
その意味では皆、同じような内容を教わる学校教育で「優秀」なのとも違う。
少数であるためには、少数の人の考え方。
少数の人しか行わない行動をする必要がある。
当然だ。
多数と全く同じ考えを持ち、多数と全く同じ行動をしていたら、その人は多数になる。
先に話したAさんはまさに少数だった。
多数と全く違う行動を起こしたからこそ、Aさんは少数に属していたのだ。
ある経営者の話
これは以前話した「ある経営者」もそうだ。
その経営者はこれまで話した人口100人の地球の世界にいるのではない。
現実の世界にいる経営者だ。
彼は世間で言う成功者。
起業後、順調に売上、利益を伸ばし、今も順調にビジネスを展開している。
その彼は世間で常識と言われるようなことを知らないことがある。
本人もそれを認識し、笑っている。
それを恥ずかしいとも思っていない。
(だから、私も書けるのだが。。)
でも、彼は何も知らないわけではない。
一般の方が知らないようなことを知っている。
彼のビジネスを成長させることを知り、彼のビジネスを成長させる行動をとっている。
だから、ビジネスが成長するのだ。
アンドリュー・カーネギーやヘンリー・フォードと同じだ
カーネギーは裁判の時、
裁判官にある質問をされる。
それは「鉄」のことだった。
ご存知のとおり、カーネギーはカーネギー鉄鋼会社を創業し、成功を収め「鋼鉄王」と言われた米国を代表する成功者だった。
でも、その彼が「鉄」のことを答えることができなかったのだ。
裁判官は「鉄の仕事をしていて、そんなことを知らないのか?」と言った。
また、フォードはマスコミに一般常識の質問をされる。
その一般常識の問題はフォードがいかにバカかを知るためだった。
フォードは自動車会社フォード・モーターの創業者
こちらも米国を代表する成功者だ。
でも、彼も答えられなかった。
これに対して、カーネギーもフォードも同じように答えている。
カーネギーは
「私は鉄の事をよく知りませんが、私の部下には鉄の事を熟知している優秀な人間が多くいます。
もし私に分からないことがあれば電話一つで私の代わりに何でも答えてくれます。
それで問題があるのですか?」
そう答えた。
フォードも同じだった。
「私は学校もろくに出ていないので人よりも知識が無いかもしれません。しかし私は電話一本であなたたちの質問に答えられる各分野の優秀なブレーンがいます。 それで問題があるのですか?」
彼らはまさに同じだった。
いや、彼らだけではない。松下幸之助なども同じことを言っている。
極端なことを言えば、彼らはそもそも多数の人が知っている一般常識は知らなくても良いのだ。
カーネギーで言えば、多数の人が知っている「鉄」のことは知る必要がない。
それは人に任せれば良いのだ。
問題はカーネギーが「少数」の成功者となりうる知識を知っていれば良い。
それに彼らは「自分が優秀になる必要はなく、優秀な人を使えば良い」ということを知っているのだ。
「鉄のビジネスをしているのだから、鉄のことは知っているでしょう」などと考える多数派の考えと全く違う考えを持っているのだ。
でも、そうは言っても「少数」になる場合のリスクは気になるだろう。
実は「少数」になるだけではダメなのだ。
「少数」になったとしても、一方は成功し、一方は失敗する。
その話を次週、していきたい。


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