スティーブ・ジョブズは 世界最高の経営者か? 8

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「スティーブ・ジョブズは
世界最高の経営者か? 8」

「芸術という言葉の意味が分からない」

そのような方もいると思い、一昨日、昨日とゲーテとシューマンの言葉をご紹介した。
彼らの「芸術」に対する言葉だ。

ドイツの文豪ゲーテは次のように話した。

goethe

そして、同じくドイツの偉大な作曲家シューマンは次のように言った。

schumann

これらのゲーテとシューマンの言葉を借りれば
芸術の究極原理は「美」、芸術の最高の目的も「美」
そして、人間の心の奥底に光明を与えること。
それが芸術だ。
「美」を生み出し、人の心に光明を与える。

ジョブズはこの「芸術」を実現したのだと思う。
普段よく利用するPCや携帯電話。
そうしたものを芸術レベルにすることで「美」を提供し、人々の心の奥底に光明を与える。
「光明」というのは大げさかもしれないが、他のPCや携帯を使う時と明らかに違う感情が生まれる。

でも、ここで疑問を持つ方もいるかもしれない。

「技術面はどうなのか?」

PCの話で言えば、正直、今のMacは良いが、以前のものは素晴らしいとは言いがたい。
日本語の基本的な変換もおかしく、問題視されていたのがMacだった。
今でも「変換がおかしい」と思い、Googleの日本語入力を使っている方もいるだろう。
お伝えしたのはMACは技術的に優れいてるというわけではない。
良いところもあれば悪いところもある。

それに、パソコンや携帯電話などをつくる企業であれば、「技術」を追求するのは当然。
それはアップル以外もやっていることだ。
でも、その製品を芸術レベルに美しくしようとしているのがスティーブ・ジョブズ、いやアップルだった。

そもそも、通常の企業はデザイン中心ではない。
経営者がデザインにうるさくはないのだ。
せいぜい、デザインの担当者に任せ、最後に決定する段階で「こちらの方が良いじゃないか?」と話すような方も少なくないだろう。

でも、ジョブズは違った。
彼の言葉にあったように「デザイン」は大きな意味を占めていたのだ。

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この言葉にあるようにiPodの裏蓋をはじめ、様々なデザインにこだわるジョブズ。
「そこまでこだわるスティーブ・ジョブズは凄い」と言われているが、他の経営者が劣っているわけではない。他の経営者が注意すべきところとジョブズが注意しているところが違ったのだ。

「そこまでこだわる」という言葉には何か重要なことが別にあって、「そんなところにまで」こだわるという意味があるのだろう。
でも、そうではなかったのだ。
彼はデザインに重きを置いていた。

他の企業が「技術」で勝負しているところをアップルは「技術」+「芸術」で勝負していた。
「芸術」は「美」を生み出し、人の心に光明を生み出す。
しかも、圧倒的価値を生み出すものなのだ。

だが、「芸術家」はそこで止まらなかった。

デザインはもちろん、「技術」さえも「芸術」レベルにするように最高のものを生み出そうとした。
コストなどは意識せず、とことんまで最高のものを生み出したくなった。

アップルを解雇された後のジョブズはNext社は立ち上げた。
そして、芸術家らしく、コストなど気にもしないように次のように言った。

「すばらしいスポーツカーを買おうとしたら、どうするのが一番良いか?ヨーロッパに飛んで行って工場を訪れ、そこで買うことだ」

最高のものは最高の場所の工場で買うべきだと考えた。
そして、製造は自社。それも米国の工場でやる。
さらに工場は最も進んだ自動化工場でやると考えた。

最高のものを追求する。
芸術レベルの技術で最高のものを作る。
その考えだったのだろう。

でも、米国でつくるには人件費ひとつとっても、膨大なコストになる。
ビジネスの原則で言えば、価格競争に勝つには、可能な限り低い人件費。低いコストの国で製造するのが賢明だ。でも、それと真逆の方法をとった。
高品質のものを高価格の製品となった。

理想の工場は無理があった。
資金を使いすぎるのだ。
実際、売上はあまり上がらなかった。
最終的には製造担当を解雇し、その解雇された担当者は不当解雇の裁判を起こし、ジョブズは敗れる。
ひどい結末であり、ひどい敗北だった。
Next社は革新的なことを行ったが、結果は大きな失敗だった。

だが、アップル復活後、ジョブズは「芸術」に「技術」そして「ビジネス」を加えていく。

今、アップルでiMacなどを購入した方であれば分かるだろう。
iMacはダンボールで送られてくる。
そのダンボールには製造した国が記載されている。
その国はNEXT社のように米国ではない。中国と記載されている。

価値ある芸術品を低価格で提供する。
それを実現するようになったのだ。

皆が手が届く芸術品。
それこそが今のアップルだ。
次回、それをお伝えしていきたい。

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