「スティーブ・ジョブズは
世界最高の経営者か? 22」
前回、このシリーズでは「外部で使い方を表現する」ということについて、お話しした。
※「スティーブ・ジョブズは世界最高の経営者か?21」
これは非常に重要だ。
今、お話ししているデザインについてだけではない。
ビジネス全般で言えることだ。
ぜひ、あなたのビジネスに置き換えた場合についても考えていただきたい。
そもそも、
利用方法が分からないものを人は恐れる
例えば、スタバなどでもそうだ。
今でこそ、そのような方は少なくなったが、スタバがまだ日本に浸透していない頃は店内で「利用方法」に戸惑っている方を見ることがあった。
今、スタバを利用している方にとっては、当然のことと感じられるかもしれないが、お店の中でどのように行動すべきか?顧客が分からないのだ。
レジでお金を支払った後にどこで注文したラテなどを受け取るのか?
それが分からないため、戸惑っているような方がいた。
おそらく、マクドナルドと同じようなものだと考えているのかもしれない。
レジで代金を支払い、お釣を受け取り、その後その場所で少し待つ。
でも、マクドナルドのようにその場で購入したモノを受け取ることはできない。
店員の方が「あちらでお待ちください」と言うのだが、
「あちら」とはどこのことなのか?
「待つ」と言っても、なぜ待つのか?
それが分からないのだ。
思い返せば、スタバに初めて入った時の私もそうだった。
初めて、お店に入った時は戸惑ったように記憶している。
スタバの場合は注文する場所と受け取る場所が別なだけなのだが、このシンプルなことでさえ、教わらなければ戸惑う。さらに、スタバと言っても、店によっても違う。
少し店の作り方が通常と異なるお店では、より分かりづらくなる。
レジなのか?
購入したモノを受け取る場所なのか?
さらに、レジと言っても、2人が同時に購入できるレジなのか?
そうではないのか?
レジで注文し、すぐに受け取れるようなマクドナルドのようなイメージで買い物をしている方にとってはよく分からないのだ。
これはスタバだけではない。
レストランなどでもよく分からない店はいくらでもある。
会計一つとってもそうだ。
テーブル会計なのか?
レジで会計するところなのか?
そんなことはいくらでもある。
その分かりにくさにサービスが追いついていないと。。
例えば、テーブル会計なのに、店員が「会計したい顧客」に気がつかないと、その顧客は二度とその店に来ないかもしれない。
「外部で使い方を表現する」
それは非常に重要なのだ。
人によっては、その分かりにくさに腹を立てる方もいるのだ。
「デザインをシンプルにする」
でも、スティーブ・ジョブズの目指した「デザインをシンプルにする」ことと同時に
これまでお話しした「外部で使い方を表現する」ことや「外部で内部の強みを表現する」ことを両立させることはそう簡単なことではない。
例えば、私は携帯をいくつか所有している。
iPhoneだけではない。
それ以外の携帯も持っている。
その中にはデザインが比較的優れているものもある。
非常にシンプルなデザインのものもある。
その製品の欠点を申し上げるので、ブランド名はあえてお話ししないが、その携帯は非常に使い勝手が悪い。
先ほどのスタバのたった1つのことでも人は戸惑う。
それが、その携帯では1つだけではなく、多くのことで使い勝手が悪かった。
伝記「Steve Jobs」では、そのことについて少しだけ取り上げられているが、それは非常に大きいことだ。
その一節は次のものだ。
美しくシンプルな製品を創る。
そして、使いやすい製品を創る。
製品を持つのであれば、美しいものが良い。
でも、製品なのだ。使い勝手が悪ければ使われない。
その意味で、美しく、かつ、使い勝手が良ければ最高だ。
だからこそ、これまでお伝えした
内部の強みを伝え、使い勝手も良くし、それを芸術レベルにする。
それは最高なのだが、非常に難しいことなのだ。
私のその携帯も同じだった。
美しかったが、使い勝手が悪く、一瞬にして使わなくなった。
すぐに埃をかぶった。
人によっては我慢し、持ち続ける方もいるかもしれない。
でも、私は耐えられなかった。
そして、二度とその企業のものは買いたくないと思ったほどだ。
これはその企業だけの問題ではない。
通常、外部と内部では対応する人や部署が違うのだ。
「外部」つまり、デザインをする部署や担当者と、「内部」を設計し、製造する担当者や部署が異なるのだ。
そして、外部と内部はつながらない。
すると、内部の強みや使い勝手は外部で表現されなくなる。
スティーブ・ジョブズは芸術家だった。
そして、それは「外部」だけの問題ではなく、「内部」をも考える真の芸術家だった。
彼の言葉で言えば、「点をつなぐ」
その言葉どおり、「外部」と「内部」とをつないだのだ。
次回から、ジョブズの芸術に対する背景をお伝えしたい。
きっと、あなたのビジネスにも参考にすべきところがあると思う。



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