「スティーブ・ジョブズは
世界最高の経営者か? 15」
前回は「破壊的イノベーション」について、お話しした。
ここは非常に重要なので、少し復習したい。
(あなたのビジネスにとっても、売上を一気に上げるヒントになる)
「破壊的イノベーション」では従来の製品の力を無効にしてしまう。
オセロで言えば、ほぼ白だったものを一気に真っ黒にしてしまうような力を持つ。
それが「破壊的イノベーション」
そうお話しした。
この「破壊的イノベーション」を仕掛け、それを成功させることなど、通常の企業はまず出来ない。
1度であってもだ。
でも、ジョブズは違う。それを何度となく、成功させた。
パソコン、iPod、iTunes、iPhone、iPadなど、幾度となく仕掛け、成功させていくのだ。
前回もここは注意してほしいと言ったが、1番手で製品を開発することが重要なのではない。
「破壊的イノベーション」となりうる製品を最初に開発したとしても、顧客に見られなければ、認知されない。
認知されなれば、利用されない。
意味はないのだ。1番手で顧客に認知されることが重要だ。
アップルが最初に開発したものでなくとも、アップルは多くの顧客に最初に認知させた。
タイプライターやワープロはパソコンによって破壊され、カセットテープやMDやCDはiPodやiTunesなどによって破壊され、携帯電話もiPhoneをはじめとするスマートフォンに破壊されるかもしれない。
既存の書籍はiPadをはじめとするタブレット型コンピューターに破壊されつつある。
いずれにせよ。従来の製品、従来の市場からの売上を一気に移す「破壊的イノベーション」を何度も成功させた。
多くの市場の売上がアップルの売上になったのだ。
ここで武器になったのも「芸術」だった。
「破壊的イノベーション」を狙う企業はアップル以外にも存在する。
そして、同じように「技術」的に優れている企業も存在する。
だが、「芸術」は別だ。アップルは「美しさ」を生み出す。
世界を変えてしまうような「破壊的イノベーション」の絶好の機会に「技術」だけでなく、他に真似できない「芸術」を加え、「最高に美しい製品」を販売していく。
それは他の競合製品が追随できないほど、美しいのだ。
このようにアップルが行ったことは「破壊的イノベーション」の機会に「技術」だけではなく「芸術」をプラスすることだ。
そして、この「破壊的イノベーション」では従来にない製品を生み出す。
すると、ジョブズの言う「市場調査は必要ない。欲しいモノを見せてあげなければ、みんなそれが欲しいかなんて分からない」というのはもっともらしく聞こえる。
しかし、これを真似してはいけない。
ジョブズは芸術家。我々はビジネスの世界で生きている。ビジネスでやってきたことを忘れてはいけない。
顧客は売上の源泉なのだ。その顧客が何を望んでいるかを明確に知る調査が必要だ。
例え、従来にはないような製品を作り上げるとしても、前回お話ししたように根本的なニーズを知るための「抽象化」調査を行って欲しい。
抽象的なニーズ、根本的なニーズはすぐに変わるものではない。それを探るのだ。
それにより、製品開発の方向性に誤りがないようにしていく。
ただし、問題がある
この「抽象化調査」では1つ問題がある。
この調査は「根本的ニーズ」を探るものだ。
そのため、「芸術」や「デザイン」。特に外観、外見の部分は調査が困難なのだ。
例えば、女性の顔
あなたに「唇が厚い人は好きか?」と聞くとする。
そう聞かれれば、「普通の唇の人が良い」と答える人もいるだろう。
でも、それがアンジェリーナ・ジョリーのようになると、セクシーで魅力的だと思うかもしれない。
それどころか、アンジェリーナ・ジョリーの顔を見て、魅力的だと感じる方であっても、「唇が厚い人は好きか?」と聞かれると、そうでない方が良いと答えるかもしれないのだ。
ここで重要なのは、アンジェリーナ・ジョリーの唇が好きかどうかではない。
「美しさ」や「外見」など、そのようなものに対する感覚は顧客自身も分からないのだ。
それどころか、「美しい」と思わなかった女性のふとした表情がとてつもなく「美しい」と感じたり、それはとらえどころがない。
これは女性の顔だけではない。
製品も同じだ。
「美しく感じるものは何か?」
そう聞かれても
人はそれを見せられないと判断できない。
「欲しいモノを見せてあげなければ、みんなそれが欲しいかなんて分からない」というジョブズの言葉はまさに「見え方」にこだわる芸術家だからこそだと私は考える。
(この場合もある程度のサンプルを作り、それに対する調査を実施することは可能だ)
我々はビジネスマンだ。
ジョブズのような芸術家ではない。
そして、顧客は売上の源泉。
今、お話しした問題点を押さえ、顧客調査を実施してほしい。
ここから、若干専門的な話をしたい
これまで、「芸術」について、アップルの製品で言えば、外側の面から説明してきた。
外見などだ。
人間の感覚で言えば、「視覚」や「触覚」(または聴覚)で意識できるところだ。
特に大きいのが「視覚」的に意識できるところだ。
でも、これはなるべくシンプルにお話しさせていただくため、そうしていた。
厳密には違う。
ジョブズの言葉には次のような言葉がある。
表面的な見た目の問題ではない。
外側だけではない。
表面的な見た目の問題ではない。
では、技術か?
実はそうではない。
そもそも、芸術というのは外見だけの問題ではないのだ。
実は次の2つが重要なのだ。
「内面」と「内部」の2つが必要なのだ。
それを次回お話ししたい。
(明日11月3日は名言などをご紹介する日。そのため、11月4日に次回のお話をさせていただきたい)





コメント