クレージーなほどシンプルに
「1週間断食するとすごくいい気分になれる。食べ物を消化する必要がないから、活力がみなぎるんだ。体調は最高だった。いつでもサンフランシスコまで歩いていけるって感じたくらいだ」
スティーブ・ジョブズ
【橋本解説】ジョブズが大学1年の時に強烈な影響を受けた本がある。フランシス・ムア・ラッペの「小さな惑星の緑の食卓」だ。この本は菜食主義の本。菜食主義が個人にも地球にも大きなメリットをもたらすと語っている。それ以来、ジョブズは肉をほとんど口にしなくなる。それだけじゃない、浄化や断食を始める。にんじんやリンゴなど、1~2種類の食べ物のみで何週間も過ごすといった極端な食事をすることが増えていった。
さらに、アーノルド・エーレットの「無粘液食餌療法」を読んで、より極端になっていく。果物とデンプンを含まない野菜しか食べないのが最善。そうすれば、有害な粘液ができないと信じ込む。長期にわたる断食をおこない、体内を浄化すべきだと考えた。シリアルもお米もパンも穀類も牛乳もとらないようにし、断食は2日間から少しずつ延ばして最後は一週間以上になった。
「1週間断食するとすごくいい気分になれる。食べ物を消化する必要がないから、活力がみなぎるんだ。体調は最高だった。いつでもサンフランシスコまで歩いていけるって感じたくらいだ」
これは単なる食べ物の話じゃない。ジョブズは何もかもをシンプルにし始める。本に影響を受けた部分もあるけど、彼は「シンプル」が好きなのだ。不純物、余分なものは全て捨て去り、最も魅力あるものだけをシンプルに残したい。
あるアナウンサーが今でも記憶に残ることを話していた。「テレビできれいな言葉を話すには、普段から話すようにしないとダメだ」と。
ジョブズを考える時、その言葉を思い出す。さっきのアナウンサーとまさに同じで、ジョブズは口で「シンプルがいい」と言っているだけじゃない。生活全て、いや肉体をもシンプルにしていく。クレイジーなほど不純物を捨て去り、シンプルにしていく。「いかにも僕らしく、とんでもなくクレージーだったよ」とジョブズは言う。
この時期、ジョブズはエレクトロニクスから離れている。でも、菜食主義に禅宗、LSDにロックなど、この時期に経験したことが、後にエレクトロニクスと一体になる。そして、開花していく。そう考えると、彼の経験したことは恐ろしいほど無駄がない。過去を無理やりつないだわけじゃない。
ムダを嫌うジョブズだ。本当に好きなことをクレージーなほど経験し、本当に好きなことをクレージーなほど仕事にしていくから、一貫性を生み、不可能を可能にする強烈な力さえも生むのだ。
※余談だけど、僕もこれに近いことをしたことがある。体内の不純物が嫌いというほどではないけど。世の中にあるダイエット300くらいの方法の成功確率を徹底的に分析し、その成功確率の高いもの7つを組合せ、自分のために独自のプログラムを開発した。そして、体脂肪率は8%になった。1年前くらいまではそうだったけど、体重計の電池が切れ、面倒で体重も測らずにいたら、今は体脂肪率は13%。そこがジョブズとは違って凡人だ。笑
【今日の質問】あなたの日々の行動にムダは多すぎないだろうか?
参考:Steve Jobs The Exclusive Biography



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