のめりこませる技術

blogcopy4

のめりこませる技術

以前、話したことがあるけど、

もう随分と前、電車に乗っていた時に、僕の前に二人の男女がいた。

女性は男性に一方的に話していた。
友達のことや行きたいレストランなど、興味のあることをひたすら話しまくっている。

でも、男性は違う。

女性の方を見向きもしなかった。

「そうなんだ」と相槌を打つのだけど、遠くを見るような表情をしながら、気持ちの入っていない返事をしていた。

男性はほとんど無視していた。
女性の話には集中はせず、、会社か仕事のこと、もしくは別のことを話していた。

実際のところは彼に聞いてみないと分からないけど、彼女に集中はしていなかった。

ところがだ。

彼女のある一言がきっかけで彼は彼女に集中した。

その一言とは

「友達があなたのことを話していたよ」

という言葉だった。

ぼんやりと遠くを見ていた視線
その視線がその瞬間に彼女の方に向けられた。

そして、「俺のことを何て言っていたの?」と言った。

僕はその彼を見ながら思わず吹き出しそうだだった。

彼は「自分(彼自身)」の話だと違った。

でも、よく考えてほしい。

彼にとって彼女は妻か恋人だった。
それだけ近い存在の相手だ。
でも、その彼女の話には興味がなかったにも関わらず、自分のことになると違う。
まるで喜劇を見ているように違うのだ。

僕が「顧客を中心に考える」というのは綺麗ごとじゃない。

心底感じている。

人は自分が中心だ。
ビジネスだけじゃなく、全てにおいて、それを忘れてはいけない。
常に相手が中心だ。

他人ではない。
あなたにとって「最高」のものが最も素晴らしいのだ。

ネットの出現によって、あらゆる人が情報を発信できるようになった。
でも、それはまだまだだ。

ある経営者の方と話したことがあるが、究極的には映画などだって、自分が主役になるものが現れる。今はまだそのような映画はない。
自分が映画をリアルに体験するための3D映画くらいだ。
でも、その先はきっとあなた自身が主役になる。
それは「映画」とは呼ばないかもしれない。

自分が主役になる映画のようなものが出てきたら、従来の映画に対して僕らの感覚は変わるだろう。
先ほどの彼が彼女の話を聞くようになってしまうのかもしれない。
もはや、他人が主役のものは他人ごとになってしまうかもしれないのだ。

自分が主役で、自分の考えや行動によって、ストーリーが変化する。
ゲームなら、それに近いものもあるが、映画などのスケール、もしくはリアルな疑似体験でそれができたら、大きく変わるだろう。

フランク・ローズの「The Art of Immersion のめりこませる技術」を読んでいたら、特にそれを感じた。

「メディア関係者じゃないから、関係ない話だ」

確かに、映画やテレビ、広告、マーケティング関係の方、そのような方に特に重要なことかもしれない。

でも、通常のビジネスでも同じだ。
常に次の質問を投げかけることだ。

「顧客を主役にできるか?」

僕らが相手にするのは顧客だ。
当然、顧客が主役であり、顧客のためのストーリーを構築できるか?
それを考えてみることだ。

もちろん、コストや時間や労力がかかりすぎるという問題はあるかもしれない。
それなら、できる範囲でどこまでそれを実現することができるか?
それを考えていくべきだ。

主役は僕らじゃない。
顧客だ。
これを忘れてはいけない。

顧客自身を主役とし、顧客自身のストーリーであれば、電車の彼のように注目してくれる。

blogcopy2

コメント

タイトルとURLをコピーしました